2024 0907 Bragging rights(自慢できる権利)
8月19日に世界最大級のセーリングスーパーヨットBayesianが、シシリー島で停泊中に突然の嵐に見舞われ沈没した。
詳しい原因はまだ分かっていないが、このヨットの特徴はその全長56.0 m (184 ft)という大きさとともに72 m (236 ft)というマストの高さだ。この高い、したがって重量が重く重心が高いマストが竜巻クラスの突風での横倒しを招いたのではないかと推察されている。これだけ大きなヨットで1本マストは珍しい。2本あるいは3本のもっと短いマストの方が扱いやすいし、これだけ大型になると性能的にも1本マストのスループにこだわる必要はない。
何故高い1本マストにこだわったか? 以下はScuttlebutt Sailing Newsの8月23日の記事”Did social trends lead to yacht tragedy?”からの抜粋だ。
“But these floating fashion items are driven by appearance and bragging rights – and you lose prestige if someone has a bigger mast than you.
Always, the status pecking order questions are – how big – how fast – what cost – and is it black? If you designed Bayesian with a reasonable sail area and a ‘normal’ mast, she would not look impressive – which is what superyachts have to be.”
キーになるのはbragging rightsだ、あまりピッタリする日本語を思いつかないが自慢できる権利と訳されている。bragging rightsはアメリカでは比較的よく目にする言葉だ。車のデザインを評価するときにbragging rightsは重要なポイントだ。車好きが集まって自分の車を自慢し合うbragging rightsのミーティングもある。日本人は一般的に自慢を歓迎しない。一方アメリカでは成功した人が、成功とそれに伴い手に入れたものを自慢することを周りが受け入れる。High school reunion、高校同窓会に乗って行って自慢できる車という使い方もある。
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