2023 0301 佐伯祐三展@東京ステーションギャラリー
佐伯祐三の絵をいつ最初に見たかは 覚えていない。パリの街、建物の絵だったと思うが好みに合うと感じた。その後、何枚かの絵を見た気がするが、建物の輪郭が太い黒い線が描かれていて、空も暗く好みから遠ざかった気がした。今回の展覧会を知った時もその印象があったので、ぜひ行こうとは思わなかった。しかし、100枚以上の代表作を集めた今回の展覧会は、大きく変わった画風をさまざまな絵で見ることができるというので興味が湧いた。
10時半に東京ステーションギャラリーに到着すると、当日券売り場には10人以上の行列ができていた。入場券は5分程で買え、中へ入ると入り口からしばらくはまあまあの混雑。古い東京駅に作られていて会場は、広くない部屋に区切られている。もっと空いていたならオリジナルのレンガを残した壁も落ち着いた気分を助けるだろうが、昨日は狭さによる人との間隔が気になったし、話し声も時にじゃまをした。
リーフレットにも使われていたこの《コルドヌリ(靴屋)》は気に入った絵の一つ。《壁》(1925)もいい感じだった。
このリーフレットの右下の《汽船》もちょっと変わった絵の一つ。《帆船》と《滞船》のシリーズとあわえて佐伯としては珍しい題材だ。2度の渡仏の間の下落合の絵は、初めて見る絵だった。日本の町の風景では視界にほぼ必ず電柱と電線が入るだろうが、絵に描き込むのは易しくない。自然と美しくはならない対象だ。そのため佐伯もたった1本の電信柱だけを残した絵も描いている。妻米子の肖像画は家に飾りたいタイプではないが、印象が強い絵だった。静物画の中にも好みのものがあった。昼は新丸ビル1階のStand Tでパスタランチ。新丸ビルは総じて高いレストランが多いが、ここは本来はビールのバーなせいかランチは安い。今日珍しく右足の付け根に痛みを感じていたので、皇居前を一回りだけして帰路についた。
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