2024 0314 マクログロブリン血症(悪性リンパ腫)
11月の特定健診で血小板数と血色素量Hbが基準値をかなり下回っていたため血液内科を紹介された。骨髄穿刺・骨髄生検、PET検査を経て1月5日に悪性リンパ腫のB細胞腫瘍性病変ステージ4と診断された。濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、リンパ形質製リンパ腫の3種の可能性があるが、2~3週間入院しての抗がん剤治療を勧められた。抗がん剤は効くだろうが発症は繰り返されると言われ、余命を含めてこの先の見込みは答えてもらえなかった。
担当医は非常勤の外来担当で、入院担当の常勤の医者と相談するので待てと言われた。これまで入院したことはなかったが、気が進むものではなかった。それまで平均余命10年以上だから自分の寿命はまだ先の話だと思っていたが、急に身近に近づいた気がした。待つこと30分余り、別の医者に呼ばれた。スケジュール等を聞くつもりだったが話は違った。追加の検査をすればリンパ腫の種類を特定できるのではないかと言われ入院の話は当面消えた。思い当たる節がある口ぶりで、そうだとすれば治療も全く違うとのことだった。次の診察で分かるのだが、マクログロブリン血症を疑っていたようだ。
翌週1月15日に受診。追加の血液検査と尿検査の結果では断定的な結論は出なかったが、マクログロブリン血症か多発性骨髄腫に絞られた。以前採取して保存されている骨髄の追加病理検査で切り分けることになった。
1月22日、病理検査の結果で原発性マクログロブリン血症と診断確定した。分子標的薬イムブルビカを服用する化学療法を受けることになった。自宅で毎朝1回服用すればいいので、入院に比べると気が楽になった。これで余命が伸びるのだろうとは正直思わなかったが、病気が特定されたことでほっとはした。ただし、服用開始に当たっては、いくつか確認が必要だった。当日はX線検査、心臓の超音波検査、心電図検査を受け。1月26日には眼底検査を受けた。
2月1日、再度血液検査で確認し投薬開始が決定。色々と副作用がありうるので1日1錠で開始するとのことで7日分を処方された。イムブルビカの薬価は1万円余りと高い。幸い1週間の服用中に副作用はなかった。
2月8日、心電図と血液検査で副作用が出ていないことをチェックし、自覚する副作用もないことを確認し1日2錠に増やすこととなり12日分を処方された。治療の目標は貧血(赤血球、ヘモグロビン、血小板減少)の解消だが、治療効果はIg-M抗体の変化で判定される。保険の制約でIg-Mの検査は月1回に制限されているので、この日は効果を具体的には調べられない。ただし、総蛋白とアルブミンの差が減少しているのはIg-Mの減少を示している可能性が高いとのこと。いくらかほっとした。
2月20日、今回もまず心電図、血液検査。副作用はない。いよいよ標準量の1日3錠に上げ21日分を処方。
3月11日、心電図と血液検査。副作用は3錠に増やして以後もなかった。気になるIg-Mはかなり減少し、投薬前の51%へとかなり減少した。ヘモグロビンは+19%、血小板数は+83%とこれらも回復している。ただし、どれも正常値の範囲になるにはさらに40%~50%の上昇が必要だ。とはいえ薬が効いているようでほっとした。日常でも心拍数の上昇がいくらか緩やかになった気がしていたし、胸の痛みもかなり減っていたので効果はでていると期待していた。引き続き1日3錠の処方で次回は1か月後受診。
イムブルビカは1日3錠で1か月で90万円余りする。30%の自己負担で27万円、しかし高額医療費補助制度のおかげで8万円余りになる。一般的な癌治療にどれだけかかるかは知らないが、安いものではないのだろう。私はがん保険に入っていたので今回診断給付金が下りた。65歳以上なので給付金は半分になっていたが、半年分程の薬代はカバーされる。入院給付金はあるが通院給付金の出る契約にはしていなかった。保険を契約して33年になるので支払った保険料を取り戻すにはかなり長期の入院か今回の癌での死亡が必要だ。
今の担当医は血液内科の部長だ。ネットの経歴を見るとその分野では経験豊富だ。マクログロブリン血症は日本全国で年間200〜300人しかいないそうだが、診察・治療経験があるそうだ。初診から見た非常勤医も病院のウェブで見るとそれなりに経験はあるようだったが、3種の可能性から絞り込もうとせず、マクログロブリン血症を疑わなかったことは知識と診断能力に疑問を感じる。入院、あるいは抗がん剤治療に進む前には部長のチェックが必ず入るのかは聞いていない。病院自体として評判が良くてもいい医者に当たるかどうかは運によるのでは悲しい。
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