2023 0413 原風景:横須賀軍港
私の原風景だと自覚している景色・場所はどこなのかはっきりしない。幼少期の記憶にある景色といえば住んでいた横須賀市の汐入駅の近くの家の2階から見た商店街はその一つかもしれない。生き方や考え方に大きな影響を与える幼少期の体験としての原体験を想起させる風景という感覚はない。今はヴェルニー公園と呼ばれるようになっている臨海公園はより原風景と言っていいだろう。2歳の頃から飼っていた雑種犬メリーの散歩で比較的よく行ったのだろう。2歳の時に臨海公園で撮った兄とメリーと映った写真が残っている。
次に飼ったコロはメリーが死んでから臨海公園で私が拾ってきたので、散歩以外でも遊びに行ったのだろう。臨海公園は横須賀軍港に面していて対岸の米軍基地に係留された潜水艦が正面に見えたが、より大きな軍艦は遠くの港の出入り口に近くに停泊していたためか視覚的記憶は薄い。全長10m〜20mの上陸用舟艇が水兵たちを乗せて目の前の水面を往来していた。それらは沖に停泊している軍艦と基地正門近くの岸壁との間をシャトル運航していたのだろう。けっこう頻繁に走り回っていたので係留されていて動きのない潜水艦よりも興味を引いたのだろう。国鉄横須賀駅と米軍基地の間には貨物用の引き込み線あって、臨海公園の中をその線路が通っていた。小型の蒸気機関車に引かれた数両編成の貨物列車が日に何回か走っていた。蒸気機関車はいつの頃だったかディーゼル機関車に代わった。
山や原野・平原や湖でも息を呑む景色は経験している。いろいろな場所からの富士山、芦ノ湖、北アルプスの連山はいつ見てもいいし、北海道の原野も忘れ難い。とはいえ、いつの頃からか山よりは海、海岸線、港の景色を好むようになったと自覚している。とは言え、この横須賀軍港の景色をはっきりと思い出させるという点で原風景だと気はしない。
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